2010年10月30日土曜日

日本の宗教史 日本宗教史の概観1

日本の宗教史を概観してみよう。
古来縄文の時代は、自然崇拝であった。自然の様々な動きの中に神を感じ、その恵みと恩恵に感謝する祭祀がささげられた。またこの時代から先祖祭祀もあった。
弥生時代になると磐座信仰が宗教遺跡としてに残っている。弥生文化の進展した地域には必ずとって良いほど「磐座」がある。巨岩を立て、そこで祭祀をしたのが始まりであろう。多くの場合、その磐座信仰の地が、その後仏教寺院になったり、信仰の中心地になった例が多い。各地の名刹と言われるような信仰の地には磐座から出発したものが多い。
古墳時代になると、各地に巨大古墳が造られるようになる。大和の地、それに続いて吉備の地に兄弟古墳が多い。この時代、弥生時代もそうだが、半島から多くの渡来人がやってきて、それぞれの信仰を持ち込んだ。これらが各地の神祇信仰として残ってきた。
飛鳥時代、半島から仏教が伝来した。仏教を受容するかどうかで、古来の神祇信仰を支持する物部氏と、仏教を取り入れようとする蘇我氏の争いは有名である。この戦いで蘇我氏が勝利することにより、仏教が日本に根付くようになる。
奈良時代は、仏教王国の時代である。平城京は今年1300年だが、特に聖武天皇の時、奈良に東大寺が作られ、諸国には国分寺、国分尼寺が作られ、また地方の豪族たちもこぞって、寺院を立てたので仏教全盛の時代となった。
平安京は、平城の都があまりに仏教の権勢が強くなり、政治権力にまで及ぶような危機の時代をもたらしたことに対する反省から、南都(奈良)の仏教を排し、その時代、唐の国から新しい仏教でった天台や、密教をもたらした最澄や空海を取り立て、庇護はするが、直接的に政治に関与することはさせず、精神文化の道場として、比叡山や高野山を置くようにさせた。以来天台、真言二宗がそこからわかれた様々な諸宗も含めて、日本宗教の主流を占めるようになる。一方この時代は奈良時代東大寺の建立に宇佐の八幡が寄与することをきっかけに始まった神仏習合が急速に進んで行く時代でもある。
最澄も、空海も古来の地主神をその寺院に祀り、鎮守として神仏習合の形態が進行する。逆に古来の神社には神宮寺が設けられ、こちらからも神仏習合が進んでいった。

0 件のコメント:

コメントを投稿